太平山は標高が低く低山丘陵でありながら、その植物相は豊かで、とても変化に富んでいます。これは、太平山がその立地のうえで南方系と北方系の植物相の接点を成していることが、その要因としてあげられます。小さな山の中には様々な植物が自生していますが、なかには、近年珍しくなってしまった山野草も少なからずあります。市街地からこれだけ隣接しているにも拘らず、長年にわたり深刻な破壊を免れてきたのは喜ぶべきことですが、わたしたちには、同時に次の世代のために、この貴重な自然環境を守り伝えていく責任があります。特に、里山の自然は常に開発等の負荷に晒されており、「普通」であることが仇となって、国内の原風景は急速に失われつつあります。このような状況のなかで、「普通であること」の価値を見直し、単に「貴重、希少」であることによってのみ、価値を見出すのではなく、わたしたちの隣人として常にそこにあり続ける身近な自然に対して、もっと労わりの心を持つべきかも知れません。

 

 


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