長野の山 北横岳 訪問日2011年09月24日 天候 晴れ


北横岳アプローチ
北八ヶ岳ピラタス蓼科ロープウェイ駅はビーナスラインを利用します。無料駐車場は余裕のある大きさなので、満車になる心配はないと思います。ロープウェイ料金はおとな往復で1800円です。運行時間は秋季の週末で8時20分から17時までとなっていますが、運行時間は季節により変動するので事前確認しておくと良いでしょう。山麓駅の標高が1771m、山頂駅の坪庭は標高2237mとなっています。
●北横岳
北横岳は北八ヶ岳を構成する火山で、唯一活火山として分類されています。その噴火活動によって坪庭周辺など特異な景観を作り出しています。標高は2480mで立派な中級山岳と言えますが、ピラタス蓼科ロープウェイや北横岳ヒュッテ、縞枯山荘などの各山小屋の存在によって、初心者でも比較的容易に訪問することができます。また、北横岳の往復は冬山入門にも適しており、通年を通して多くの登山者で賑わっています。三ツ岳は北横岳に隣接する山で、北横岳からの溶岩流が防波堤のように凝固した雰囲気。なので、周辺よりも登山道の様子は悪い区間となるので、家族連れで周回する際は、多少余裕を持ったほうが良さそうです。

北横岳 ハイキングルート

北八ヶ岳ピラタス蓼科ロープウェイの山頂駅は標高2237m。北横岳の標高は2480mなので、その差わずか243m。良いのでしょうか、こんなに楽しちゃって。


北八ヶ岳山頂駅の前には通称「坪庭」と呼ばれる溶岩台地が広がっています。小ぢんまりとした可愛らしい溶岩台地で、雄大というよりも日本的な情緒が感じられる庭園のような雰囲気ですね。


北八ヶ岳「坪庭」からは北八ヶ岳の山々とともに南アルプス北部の甲斐駒、北岳、仙丈岳などが望めます


北八ヶ岳「坪庭」は北横岳、三ツ岳、縞枯山などに囲まれています。北八ヶ岳特有の縞枯れ現象が見られる針葉樹林の森が覆っていますが、「坪庭」周辺だけは草原と樹高の低い木々が優先しており、なかなか明るい印象です。



北八ヶ岳「坪庭」は園地のように整備されており、標高二千mを超える高山とは思えない佇まいです。登山者よりも観光客のほうが多いですね。

 

 


北八ヶ岳周辺の登山コース案内。どちらかというと観光客向け散策用と思ったほうが良いです。「坪庭」の散策路は時計回りの一方通行となっているので注意が必要です。雨池方面に向かうには大きく回り込むことになります。


北八ヶ岳一周40分程度の散策コースは、一般の方も不安なく歩けるように整備されています。多少の散策であれば登山靴でなくとも大丈夫。


北八ヶ岳登山道との分岐。遊歩道から離れて北横岳へと向かいます。


北八ヶ岳北横岳を望みます。鬱蒼とした針葉樹林と折重なる溶岩によって、独特の風貌を見せています。


北八ヶ岳北八ヶ岳「坪庭」から離れて北横岳へと登り始めます。道は遊歩道から本格的な登山道へと変化していきます。良く整備された快適な登山道なのでとても歩き易いです。


北八ヶ岳急登を頑張った後はしばらく平坦な道が続きます。前方が明るくなると北横岳ヒュッテに到着です。


北八ヶ岳ヒュッテの裏手からひと登りで北横岳の南峰です。山頂手前からは抜群の展望。北八ヶ岳ってこんなに明るくて眺めが良かったんですね。


北八ヶ岳南八ヶ岳の峰々は優美な裾野を広げています。後方には南アルプスの山々。


北八ヶ岳南アルプスの更に右後方には中央アルプスの山々。空木と南駒が見えていてちょと嬉しい〜。


北八ヶ岳北横岳南峰の頂上。沢山の登山者が行き交います。


北八ヶ岳折角なので今度は北峰に移動します。南峰と北峰とは言うものの、火口壁が繋がったものなので、走れば1分程度の至近距離です。


北八ヶ岳北峰に移動してみましたよ。南峰と同様にこちらも登山者が沢山。 


北八ヶ岳北横岳の最高点は北峰となります。


北八ヶ岳縦走路はここから更に大岳・双子池へと続き、蓼科山へと至ります。けれども殆どのハイカーさんはここで引き返すようですね。


北八ヶ岳北峰から望む蓼科山。蓼科山は2つの火山が合体したものであることが良く判ります。山頂右側ののびやかな稜線は将軍平。


北八ヶ岳さて、北横岳も火山です。しかも活火山として分類されているようですよ。素人には噴火するような予兆は感じられませんが、山頂から小さな沼が散在する火口が見下ろせます。


北八ヶ岳現在はこんなに穏やかな眺めですが、北横岳が最後に活動したのはそれほど昔ではないようです。


北八ヶ岳北峰から望む緑に覆われた南峰。ふたつの峰は北横岳の火口縁ということですね。


北八ヶ岳北峰から再び縦走路を戻ることにします。


北八ヶ岳下山する前にもう一度雄大な景色を楽しみます


北八ヶ岳南八ヶ岳の主峰、赤岳と阿弥陀岳。


北八ヶ岳天狗岳の双耳峰を前景に硫黄岳。


北八ヶ岳西天狗と横岳。


北八ヶ岳赤岳を望みます。


北八ヶ岳こちらは蓼科山の山頂部。溶岩の岩海となっている山頂部が良く判ります。


北八ヶ岳最後に槍と穂高。写真は撮影しませんでしたが、剣、鹿島槍、白馬三山などもしっかり望めました。夏山とは違って空気が澄んできたからでしょうか。


北八ヶ岳北八ヶ岳北横岳ヒュッテで遅い昼食をとってから、三ツ岳との分岐まで降りました。このままロープウェイの駅に戻ってはちょっと物足りないので、ここから三ツ岳に向かいます。


北八ヶ岳三ツ岳方面に入ると登山道は途端に悪路となります。ただし、北横岳の登山道と比較しての問題なので、観光客向けではないということです。


北八ヶ岳巨大な溶岩が累々と折り重なった登山道。忍者のようにピョンピョンと飛び移っていきます。落ちるとダメージ大きいですなぁ。振り返れば北横岳が緑の波頭のように望めます。


北八ヶ岳北八ヶ岳三ツ岳への縦走路は火山地帯らしい面白い道です。地形がかなり複雑で溶岩が集積したピークが複数寄り添っています。なので、厳密にはどれが本当の三ツ岳なのか悩みます。


北八ヶ岳最後は鎖場を越えてピークに立ちます。危険ではないけれど、雨天要注意箇所。


北八ヶ岳三ツ岳の山頂から北横岳と蓼科山を望みます。北横岳ヒュッテも良く見えています。


北八ヶ岳北側にはこちらと同程度の標高と思えるピークが望めます。


北八ヶ岳一応ここが三ツ岳の山頂なのでしょうね。大岩が積み重なったピークなのでとても狭い山頂です。


北八ヶ岳三ツ岳山頂から縞枯山を望みます。こちら側からはあまり縞枯れ現象は確認出来ませんね。重なるように見えている手前のピークは雨池山。


北八ヶ岳「坪庭」とロープウェイの山頂駅。押し出した溶岩流の痕跡が良く判りますね。


北八ヶ岳三ツ岳山頂先にあるもうひとつの顕著なピーク。こんな雰囲気のピークが数えると全部で三つ以上はあります。


北八ヶ岳鎖が設置された急傾斜の登山道を降りるとちょっと平坦な場所に出ます。振り返ると三ツ岳の山頂がなかなか格好良いのです。溶岩流の末端のような雰囲気ですね。


北八ヶ岳前方には縞枯山と雨池山。


北八ヶ岳雨池を望みます。なかなか素敵な雰囲気ですが今回は寄り道出来ません。雨池も噴火口に水が溜まったものらしいのですが、渇水が続くと干上がることもあるようです。


北八ヶ岳北八ヶ岳見通しの無い樹林帯の道を鞍部まで降りた後は、雨池山まで登り返します。雨池山の山頂は展望も無くちょっと殺風景な雰囲気です。登山道の傍らに山頂を示す道標があります。これが無かったら気づかずに山頂を通りすぎてしまうでしょうね。


北八ヶ岳雨池山から下ると展望が再び開けてきます。眼下には気持ち良さそうな草原が見下ろせます。


北八ヶ岳展望が良いのは縞枯れ現象のお陰ですね。


北八ヶ岳草原が広がる鞍部まではそれほど時間はかかりません。


北八ヶ岳北八ヶ岳2つの登山道が交差する十字路。真っ直ぐ進めば縞枯山。左手は雨池峠から雨池。右手が「坪庭」へと戻る道です。


北八ヶ岳北八ヶ岳は全山が鬱蒼としているわけではなく、要所では明るい草原などが点在しています。原生林と苔の絨毯というイメージが強いのですが、歩いてみると意外に展望地が多く楽しいです。


北八ヶ岳草原の中に佇む縞枯山荘。絵になる風景ですね。


北八ヶ岳草原とは言うものの笹類が優占しています。


北八ヶ岳縞枯山荘付近から雨池山を望むと、綺麗な縞枯れ現象が確認出来ます。


北八ヶ岳北八ヶ岳縞枯山荘付近の登山道は良く整備された歩き易い道なので、「坪庭」まで戻るのにそれ程時間はかかりません。綺麗に木道が整備されていますが、二列で歩いてはいけないそうです。


北八ヶ岳縞枯山荘を示す可愛い道標。


北八ヶ岳縞枯山荘方面の登山道と「坪庭」の散策路が合流する場所。縞枯山荘に向かうには散策路を時計回りに、ちょっと遠回りする必要がありそうです。


北八ヶ岳「坪庭」から望む北横岳。


北八ヶ岳帰路、ロープウェイからの車窓風景です。ここから466mの標高差を降りていきます。・・・歩いても良い感じですね。


北八ヶ岳ロープウェイの車窓から見た天狗岳と南八ヶ岳の峰々。八ヶ岳は火山マニアには堪らない場所ですね。火山だらけです。


北八ヶ岳瀟洒な麓の駅に到着。おつかれさまでした。 



●駐車場
ピラタス蓼科ロープウェイ駅に無料の巨大駐車場があります。
●トイレ
ロープウェイ駅、北横岳ヒュッテ、縞枯山荘にあります。
●登山道
危険な場所はありませんが、「坪庭」の散策路は公園の遊歩道程度で小さな子供さんでも歩けます。また、北横岳往復や縞枯山荘周辺も家族連れで十分楽しめますよ。ただし、三ツ岳周辺に限っては本格的な登山道なので小さなお子さん連れは要注意です。
●備考
ロープウェイは10分間隔で運転されているので、待ち時間が少なくて助かります。「坪庭」周辺は観光客が多く散策路はちょっと渋滞気味。北横岳往復も大勢のハイカーが訪れており、若干渋滞気味ですね。ところが、三ツ岳方面は極端に登山者が減ります。なので、この区間に限っては静かで快適なハイキングが楽しめます。今回は三連休でもあったので特に賑わったようですね。
●主観的所要時間
ロープウェイ山頂駅から北横岳往復は2時間半程度(休憩含まず)。更に三つ岳方面を周回すると3時間以上は見ておきたいです。
健脚な方ならば雨池を組み合わせたり、縞枯山や茶臼山まで足を伸ばしたりして楽しめそうです。

この記事に関する内容はあくまで主観的な印象を綴ったものです。
  もし、登ってみようかなと思われたら、面倒でも最新の情報を収集されるようにお願いします。
  登山道は季節により変化します。年数を経れば様変わりもしてしまいます。
  無理をしない山行で楽しい想い出を沢山つくってくださいね。

 

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