黒部五郎小舎の指定地は豪華な朝の眺望から始まります。テントの中からこんな景色を楽しめるのですから有り難いですね。五郎平の朝は晴天快晴で始まりましたよ。
小屋前の広場からは昨日は雲に隠れて見えなかった黒部五郎岳が悔しいくらいに良く望めます。今日のカールはさぞや美しいことでしょうなぁ〜。
先日越えてきた薬師岳。随分遠くなりましたが、またこれから再接近することになります。
黒部五郎小舎から樹林帯の急登を頑張って、三俣蓮華岳に向かいます。途中、何箇所かにこのようなプレートがあります。ゆっくりコースと急坂コース、一方がことさら危険というものではないので、好みの範囲で決めて差し支えありません。
辛い急登ですが振り返ると素晴らしい黒部五郎岳の眺め。う〜ん、後ろ向きで歩きたいくらいです。こうして眺めると、カール底から小屋までの距離が意外に長いことが良く判りますね。
2600mを超えると一旦、尾根上の小平地に飛び出します。ここからの眺めも素晴らしいのです。
赤牛岳、雲ノ平、祖父岳、ワリモ岳、鷲羽岳の眺め。おぉ〜、アドレナリンが。
頭だけ覗かせる可愛い黒部五郎岳。
遠くなってこそ、更に堂々とした貫禄を見せる薬師岳。
北アルプス中心部の山々の連なり。
笠ヶ岳は独立した山域としてとても魅力的ですね。
装いも新たな雲ノ平山荘と遠く五色ヶ原。
雲ノ平の向こうに霞むのは獅子岳、鬼岳、龍王岳、浄土山、剣、雄山、大汝山などの立山ファミリーです。あそこから歩いてきたのだなぁ〜、なかなかやるじゃないですかと自分を褒めたい気分。
さて、これから登る三俣蓮華岳の右側には壁のように丸山と双六岳が連なっています。
登山道は概ね左側のカールの上縁に沿ってつけられています。処々崩壊している場所もありますが、まさか転落はしないでしょう。
三俣蓮華岳の頂上直下で直接三俣山荘に向かう道と分岐します。けれども、ここまで登ってきたのであれば山頂に立ち寄ったほうが良いのではないでしょうか。
三俣蓮華岳はいろんな方向から削り取られていますね。カールだらけのお山です。
薬師岳からも目視できた山頂下の残雪です。
残雪は近寄ると結構大きいですね。この辺りはもう山頂に向かって穏やかに登るだけです。
山頂西側の分岐地点です。北アルプスの大通りに出た気分ですね。行き交う登山者の数がこっからとても増えるのです。
三俣蓮華岳から雲ノ平、水晶、鷲羽岳など。
何度見ても飽きない風景です。
三俣蓮華岳山頂から定番の槍ヶ岳です。有り難や〜。
北西方向の要、薬師岳。ピストンよりも縦走で訪問するのが良いですね。薬師岳の持つ様々な表情に触れることが出来ます。
今日はすっかり良い天気でちょっと悔しかった黒部五郎岳。雨のカールもなかなか風情がありますよ〜、と負け惜しみ。
でもやっぱり、三俣蓮華岳からはこの眺めが一番。
黒部五郎小屋からの道が合流する分岐点は、山頂のちょっと西側のピークです。
穂高岳を望みます。逆光なので切り絵のようです。
山頂からカール底へと降ります。下り始めは特に落石注意。自分はコケても石を落とさないくらいの気構えで下りましょう。見下ろせば沢山の登山者が登ってくる地点です。
三俣峠から三俣蓮華岳の山頂を振り返ります。残丘のような山頂です。
ここから双六岳へと向かうカールの散歩道はお薦めです。後半の登り返しがちょっと辛いですが。
雷鳥さんが鋭意警戒中。
三俣山荘へと向かう道から振り返る三俣蓮華岳の姿は、草原と岩と残雪が一幅の絵画のように美しい雰囲気を醸し出しています。
鷲羽岳を眺めながら三俣山荘へと向かいます。キャンプ指定地までは転石に乗らないように注意。ハイマツの中はすれ違いに注意。
今年も三俣山荘の展望レストラン。コーヒーが美味いのです。そして、ケーキも本格的に美味いのです。
でも、なにしろ三俣山荘のカレーライスが最高に美味いのです。おそらく北アルプスで一番なのです。これを食べるために登ってきても良いくらいですぞ〜。
賑わう山荘前の広場。トイレは小屋内のトイレを借りることになりますがとても清潔で綺麗。
布団干しと槍ヶ岳。こんな布団だったら気持よく寝られそうです。
さて、先はまだ長いので鷲羽岳に向かいます。
昨年の散歩と違ってテント一式背負っているので、今年の鷲羽岳はちと辛いです。
振り返れば双六岳から三股蓮華岳が連なっています。
この辺りの山々は全く大らかで優しい雰囲気ですね。眉間にしわ寄せて歩くのは似合わないようです。
・・・槍ヶ岳はしわだらけですな。
鷲羽岳から眺める黒部五郎岳はカールが真正面。
三俣蓮華岳と丸山。双六岳から三俣蓮華岳は、互いが穏やかな稜線で繋がっているので、高原散歩のような気分で歩けてしまいます。三俣蓮華岳は雲ノ平や薬師岳方面から望むと、単独でとても立派な姿で望めます。
三俣山荘からしばらく続く岩屑と砂地の九十九折が終わると、岩稜帯をぐんぐん登るようになります。
この辺り一番辛く感じる場所ですが、あまり長くは続かないので大丈夫です。
一旦、傾斜が弱まると鷲羽岳の山頂が目の前です。
今年は山頂も晴れているようです。良かったぁ〜。
鷲羽池。写真を撮ろうとしたら丁度槍ヶ岳が雲の中。タイミングというものはなかなか難しいものですね。
今回は晴天の鷲羽岳山頂が待っていてくれるだけで充分。何度か登ってようやく晴天の鷲羽岳です。
山頂から北に続く稜線の眺め。祖父岳、ワリモ岳、水晶岳など。本日は祖父岳を越えて雲ノ平へ。まだまだ遠いですね。
賑わう鷲羽岳を後にしてワリモ岳へと向かいます。
鞍部から鷲羽岳の山頂を振り返ります。
ワリモ沢の斜面を覗きます。下流は湯俣川となっており、大きく崩壊しています。
花崗岩の類が露出していると眩しいくらいです。
ワリモ岳に向かって登り返します。右側はワリモ沢に向かって大きく崩壊しています。左側は黒部の源流地帯。
ワリモ岳は尖っていますが小さくて可愛い山です。採石場のように岩が散乱しています。
ワリモ岳側から望む鷲羽岳。あぁ〜、なんて格好良くて素敵な姿なのでしょう。何度でも登りたくなる山です。鷲羽岳の左手には遠く槍ヶ岳が望めます。
ワリモ岳を振り返ります。山頂部周辺だけちょっと岩場のようになっています。休憩にはちょっと不向きな狭い山頂です。
ワリモ岳を越えると水晶岳までうねるような稜線が続きます。
明日、訪問する水晶岳。北アルプスを初めて訪れた頃、まさに水晶岳は憧れの山でした。百名山ブームなどというものはなかったので、人気のまばらな山頂とお花の多さに感動したものです。
最近ご無沙汰の野口五郎岳。幕営指定地が廃止になったので、ますます足が遠のいてしまったかな。
大天井岳。こっから眺めると男前です。ちょっとズームの限界なので変な色。
常念岳。どっから眺めても絵になる隙のない山ですなぁ〜。手持ちズーム最大なので色あいとピントがアカンです。写真は隙だらけになってしまいましたよ。
ワリモ北分岐に到着しました。このまま進めば水晶小屋まですぐですが、水晶小屋はテント張れません。なので、こっから左折して雲ノ平に向かいます。
祖父岳を越えて雲ノ平への道。手前の一番低い場所が岩苔乗越。う〜ん、これからもうひとつ2800級の山を登らなければテント張れません。
ワリモ北分岐から駆け下りるようにして岩苔乗越に到着しましたよ。ここから黒部の源流を辿ったり、高天原方面へ向かったり、祖父岳を越えて雲ノ平に行ったりと、結構重要な交差点でありますな。岩苔小谷と薬師岳を望みます。こっから高天原までは結構遠いですがなぁ〜。
明日水晶岳へ行くためには、ここを再び登り返さなければなりません。ちと憂鬱です。
ワリモ岳からワリモ北分岐への稜線を見上げます。写真なので潰れて高度感がありませんが、岩苔乗越から見上げると、・・・そりゃ、もう、えらく辛そうですよ。
祖父岳への道は明日早朝にも再び通る道です。なので、多少先を急ぎながら祖父岳へ。
でも、なんというか黙々と歩いてしまうには勿体無いほど、いろんなビューポイントがありますなぁ〜。・・・やっぱり休憩しよ。
祖父岳への道は意外に平坦な道が続きます。時間に余裕があればのんびりと過ごしたい場所です。
ワリモ岳と鷲羽岳が綺麗に並んでいます。こっから先は梯子を登ったりハイマツをかき分けたりしながら登山道は続きます。登り始めると祖父岳の山頂までそれほどの時間はかかりません。
広〜い祖父岳山頂に到着です。前回の訪問ははうっすらと雪化粧している季節でしたよ。
広い山頂は平坦です。なので、視界が悪い時は要注意です。幸い、山頂一帯には幾つものケルンが建っているので目安になります。
山頂からそのまままっすぐ雲ノ平のある西方向に進みます。少し進むと眼下に雲ノ平全体が望めます。 火山特有の岩ゴロゴロ地帯を注意しながら下ると、三俣山荘からの道と合流するT字路となります。ここを右折して雲ノ平へと向かいます。
分岐から祖父岳を見上げます。巨岩累々とした山容です。ペンキ印を外すと途端に進むのに苦労してしまいます。見た目と違ってどこでも簡単に歩けるというわけではなさそう。
眼下にはキャンプ指定地が見えています。以前はこっから更に真っ直ぐに下ってキャンプ指定地に簡単に着きましたが、現在は雲ノ平の右縁に沿って大きく迂回することになりました。そりゃ、もう、がっかり度満点の瞬間。
直線距離ではもうすぐなのに迂回していると小一時間程度はまだかかりそうです。あぁ〜、そう言っている間にも良い場所がどんどん埋まって行きますぞ。雲ノ平のキャンプ指定地、テントを快適に張れる場所は意外に少ないのです。
必死で歩いてようやくスイス庭園との分岐。本日、最もスピードアップして歩きましたよ。三俣蓮華、鷲羽、ワリモ、祖父岳と越えてきてトップスピードに切り替えるのですから、もう、なんというか、自棄になってます。
雲ノ平からの水晶岳と赤牛岳。なんて綺麗なんでしょうかぁ。でも、テント張るスペースは残っているのでしょうかあぁ〜。
明日、訪問する赤牛岳さんは雲ノ平から望むとおおらかな雰囲気。おじさんはテントのことで頭が一杯でおおらかな気持ちに程遠い状況。
んがぁ〜、ようやく指定地と山荘の分岐。この後、なんとか水場の近くにテントを張りましたよ。 指定地は満員御礼という感じです。
テントを張ったら今度は山荘に料金を払いに向かいます。あぁ〜、忙しい。
久しぶりの雲ノ平山荘はすっかり今日的にリニューアルされてましたよ。バルコニーに天体望遠鏡などもあって、とってもお洒落です。 これならちょっと宿泊してみたいと思いませんか。
ようやく本日のお仕事終了・・・いや、食事の用意をせねば。
雲ノ平のキャンプ場全景。傾斜地と岩が多いので整地された良い場所を探すのが大変。シーズン中は早い時間に到着するのが鉄則ですね。水場の水量は豊富で、トイレ棟もあります。が、料金は雲ノ平山荘まで払いに行かなければなりません。往復で結構時間のかかる作業です。 自然保護のためとは言うものの祖父岳から直接キャンプ場に至る登山道が通行禁止になったのも辛いですね。実際に迂回路を歩いてみると判りますが、大幅な歩行時間増となります。
今日は疲れましたぞぉぉ〜。テントからの眺めは思索に耽る黒部五郎岳。では、おやすみなさい。
●駐車場
縦走による訪問なので割愛。この辺りの山を登るのに扇沢からでは非現実的。
●トイレ
黒部五郎小屋、三俣山荘、雲ノ平キャンプ指定地、雲ノ平山荘などにあります。
●登山道
全般危険な場所はありませんが夏山シーズンは雷注意です。祖父岳から雲ノ平へと向かう道は大きく迂回するようになりました。小屋泊まりの場合はともかくキャンプ場を使う場合は以前よりも不便になった感は否めません。これも植生保護のためですから我慢するしかないでしょう。
●備考
三俣山荘のキャンプ指定地はハイマツの中に散在している感じです。密集していないので良いかもしれません。トイレは山荘内の施設を使うのでちょっと面倒。雲ノ平のキャンプ指定地はちょっと注意が必要。前述したように所要時間が増えてしまうことに加えて、キャンプ場自体が抱える問題もあります。傾斜地が多い、岩が多い、整地された場所が少ない等です。実際に見た目の広さとは裏腹に張れる場所はとても少ないと考えたほうが良さそう。料金を払いに行く山荘も遠いです。但し、水場やトイレ棟はあります。さて、赤牛岳にテント泊でチャレンジする場合、三俣か雲ノ平かの二択となります。前回は三俣に泊まって赤牛岳に向かいました。今回、雲ノ平から歩いたので比較出来るのですが、やはり三俣からのほうが楽チンのように感じます。標高は似たようなもんなので、精神的なものかもしれませんが、鷲羽岳を朝一番で頑張れば後は比較的楽チン。一方の雲ノ平からはモタモタしてなかなか進まない印象です。みなさんは如何でしょうか。
●主観的所要時間
黒部五郎小舎から三俣蓮華岳までは2時間半程度(休憩含まず)。三俣蓮華岳から三俣山荘までは40分程度(休憩含まず)。三俣山荘から鷲羽岳は1時間半程度(休憩含まず)。鷲羽岳からワリモ北分岐までは1時間程度(休憩含まず)。ワリモ北分岐から祖父岳までは1時間半程度(休憩含まず)。祖父岳から雲ノ平のキャンプ指定地までは大きく迂回するので1時間強はかかります(休憩含まず)。なお、キャンプ指定地と雲ノ平山荘間は急いでも片道15分。往復で30分以上はかかると考えたほうが良さそう。何れも荷物の量や本人の贅肉に応じて変化しますので参考程度です。
赤牛岳方面へのテント泊縦走となると、上述した三俣山荘の指定地か雲ノ平の指定地を選ぶこととなります。
●山の住所について
国内の山々は行政区分の境界位置に立地しているものが多いようです。今回の三俣蓮華岳は山頂付近で富山県、岐阜県、長野県とに別れています。鷲羽岳は富山県と長野県です。ホームページ内のカテゴリ区分で反映させるとまこと煩雑な表記になってしまいます。今回、歩いたルートの優先度から富山県に組み込んでいます。前回は新穂高温泉から歩いたので三俣蓮華岳は岐阜の山として紹介済みです。次回、烏帽子岳からの縦走や湯俣温泉から真砂岳経由で訪問すれば、長野の山として紹介するかも知れませんね。「◯◯県の山」という表現は目安程度の意味で、厳密に区分はしていません。
この記事に関する内容はあくまで主観的な印象を綴ったものです。
もし、登ってみようかなと思われたら、面倒でも最新の情報を収集されるようにお願いします。
登山道は季節により変化します。年数を経れば様変わりもしてしまいます。
無理をしない山行で楽しい想い出を沢山つくってくださいね。