長野の山 南駒ケ岳 訪問日2009年09月21日 天候 晴れ


南駒ケ岳アプローチ
長野の山 南駒ケ岳国道19号線からの伊奈川ダム方面への入り口は判り難い。特に観光地でもないためか、道標に乏しいので注意が必要。また、ダムへと向かう道は想像以上に長い。全面舗装だが道幅が狭いのですれ違いに注意。ダム近辺には観光施設などは一切ない。ダムを通り過ぎると間もなく左手に上下二段に区分された駐車場があり、傍らには登山届用のポストや道標が設置されている。
●南駒ケ岳
中央アルプスの中心に位置する超一級の名山。・・・だが、百名山ではない。両翼に赤梛岳と仙涯嶺を従えて、ひとつのファミリーを形成している。空木岳は百名山ということで大挙して訪れる登山者も、南駒ヶ岳はあっさり割愛する場合が多い。南駒ヶ岳の懐には摺鉢窪という素晴らしいカールや百間ナギという国内屈指の崩壊壁を擁しており変化に富んでいる。また、山頂一帯は花崗岩と白砂ハイマツの庭園となっている。縦走などで山頂を通過するだけでは、あまりに勿体ない山岳で、是非、北沢尾根から直接南駒ヶ岳を登り、摺鉢窪で一日を過ごして欲しい。

南駒ケ岳 ハイキングルート

長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳伊奈川ダム奥にある登山者向けの駐車場。林道際にあり、登山届のボックスもあります。駐車場は上下二段になっています。


長野の山 南駒ケ岳駐車場の先は一般車両通行止めのゲートが待っています。歩行者は右側の細い通路を使用するようになっています。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳ゲート先の橋を渡ると、まず木曽殿越と越百山、南駒ケ岳方面との分岐になります。向かって左への林道は木曽殿越へ、右方向は越百山、南駒ケ岳への道となります。


長野の山 南駒ケ岳林道の傍らには大桑村で整備した道標が建っているので安心です。但し、林道に設置されたものは時間表示や標高が記載されていません。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳暫く林道を進んで福栃橋を渡ると、越百山方面と南駒ケ岳方面との分岐に辿りつきます。南駒ケ岳へは更に暫く林道を歩くこととなります。林道は花崗岩の砂地になっており、それほど疲労せずに歩けます。


長野の山 南駒ケ岳今朝沢の橋を渡ると左手に南駒ヶ岳への登山口となる梯子があります。なお、今朝沢の水飲んじゃいましたが大丈夫でした。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳道は最初下り気味に沢沿いを進みます。道標や新たに付け替えられた梯子などがあります。案外、営業努力してる登山道なんだなと感心しながら登ります。


長野の山 南駒ケ岳沢から離れて九十九折りの登山道を登っていくと右手にロボット雨量計の施設が見えてきます。クマザサが多くなってきますが、しっかりと刈り払いされています。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳時折現れる道標の時間表記を見て喜んだり、がっかりしたり。五合目の前後は急登が連続します。周囲は植林から深い針葉樹の原生林となります。陽の差し込む場所はクマザサが盛大に伸びてます。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳登山道は意外にしっかりとしたもので、日光の大真名子、小真名子、太郎山などのほうが歩きにくいですね。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳深い原生林から幼木の密生する地帯になると、間もなく見晴台という場所に到着。特に展望台というわけではありませんが、登山道の周囲は明るく開放的な雰囲気になります。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳全く眺望が利かない道を黙々と登ってきましたが、この辺りから周辺の山々も望めるようになってきます。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳越百山や遠く御嶽山が樹間越しに望めます。


長野の山 南駒ケ岳ようやく二千メートルを超える場所に辿りつきました。道標には北沢尾根へ50分と書かれています。ん、いま登っている場所は北沢尾根じゃあないのかい。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳針葉樹の深い原生林へと再び突入。でも、道筋は幾分穏やかに続きます。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳北沢展望三角点に到着。ここで2400メートル程度。う〜ん、何を展望するのか判らん。周囲は次第に落葉広葉樹が増えてきます。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳途中、ザレた場所を何度か横断します。なんとなく木々の葉も色づき始めているような・・・。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳主稜線は時折木々の間から見え隠れしていたのですが、ようやくすっきりとした空木岳と御対面。俄然、やる気が湧いてきました。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳越百山は南アルプスの蝙蝠岳のように端正な姿ですね。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳樹相が素晴らしいのでつい足が止まってしまいます。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳次第に花崗岩の巨岩が目立つようになってきました。でも、この辺りでは登山道もまだしっかりとしています。岩場を攀じるという大袈裟なものではありません。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳上空は雲ひとつない快晴。なので、色づいた木々が益々冴えわたります。


長野の山 南駒ケ岳尾根の右手を巻いていくように登ると、ようやく2591メートル峰に到達。で、これから向かう尾根筋を望むと・・・。


長野の山 南駒ケ岳目前に南駒ヶ岳の巨大な姿が突然現れます。あまりの迫力に圧倒されました。今回の主役登場です。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳仙涯嶺も城塞のような姿。中央アルプスの三大岩峰に宝剣岳とともに数えらているそうで。・・・さて、もうひとつは何処ですか。


長野の山 南駒ケ岳左が北峰、右が南峰。北峰の左側から手前の樹林へと続く稜線が北沢尾根。登山道が目視で確認できません。なんでだ。


長野の山 南駒ケ岳2700メートル峰に到着。2600メートル付近からハイマツとシャクナゲの海。足元はしっかりとしているのだけれど、掻き分けないと進めないのです。


長野の山 南駒ケ岳南駒ヶ岳、仙涯嶺、越百山へと続く美しい稜線。本日は登山道でビバーク。


長野の山 南駒ケ岳宿泊場所から望む早朝の南駒ヶ岳。・・・登山道見えません。


長野の山 南駒ケ岳東川岳から望む高度感のある空木岳と異なり、南側から望む空木岳はのびやかな雰囲気。


長野の山 南駒ケ岳辿ってきた北沢尾根を見下ろします。う〜ん、滅茶苦茶長いぞ。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳北沢尾根の核心部は花崗岩の巨岩と格闘します。ペンキ印はほとんど消えています。鎖などもありません。全体的に左右のどちらかを巻いていきます。間違うと行き詰ります。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳途中、一か所だけ古い鎖場があります。草付きの場所には踏み跡が必ずあります。なので、岩を乗り越えたら踏み跡を探せば大丈夫。踏み跡が無かったら登る岩を間違えてると考えましょう。いずれにしても天気が良ければ問題なし。


長野の山 南駒ケ岳唐突に南駒ヶ岳山頂に到着。山頂の裏手から登場です。


長野の山 南駒ケ岳北方には空木岳と遠く木曽駒など。こうして眺めると宝剣岳って稜線上の小さな突起に過ぎないことが良く判ります。


長野の山 南駒ケ岳南方には南駒ヶ岳南峰と仙涯嶺や越百山など。越百以南の山は勉強不足で同定出来ません。


長野の山 南駒ケ岳北沢尾根の終着点。花崗岩の巨岩を幾つも飛び越えながら辿りつきます。岩と岩の間は大きな隙間になっているので転落注意。悪天候時の下山は避けた方が無難。ルートが判り難いです。


長野の山 南駒ケ岳山頂標識。念願の南駒ヶ岳山頂で2時間ほど睡眠。山頂に一か所テラスのように突き出した花崗岩の一枚岩があって、丁度ダブルベッドのような感じ。寝返りうつとかなりヤバイですけど。


長野の山 南駒ケ岳朝の散歩道。今度は摺鉢窪に向かいます。


長野の山 南駒ケ岳正面には赤梛岳。最低鞍部が摺鉢窪への分岐点となります。北沢尾根と較べて、沢山の登山者が行き交う賑やかな縦走路です。それでも空木岳と比較すれば静かですね。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳南駒ヶ岳から下りる途中から見た摺鉢窪。避難小屋が百間ナギの際に建っています。小屋そのものがナギに飲み込まれそうです。


長野の山 南駒ケ岳南駒ヶ岳山頂を振り返ります。花崗岩と白砂とハイマツの空中庭園。


長野の山 南駒ケ岳南駒ヶ岳と赤梛岳のコルには摺鉢窪を示す道標が建っています。そのまま進めば赤梛岳を経て空木岳へと至ります。


長野の山 南駒ケ岳鞍部から俯瞰する摺鉢窪の全景です。正面に南アルプスの山々が連なり、感動的な眺めです。


長野の山 南駒ケ岳摺鉢窪避難小屋へ向かう途中から、稜線を振り返ります。サワサワと風の音だけが駆け抜ける別天地。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳高山植物の名残が随所に見られました。今度は花の季節に訪問したいですね。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳摺鉢窪避難小屋の全景とその内部の様子です。飯島町によって小まめに修復されているので快適に使えます。但し、協力金として1000円が必要。最終的には20人以上が宿泊。ただ、冬季でもないのにテントを張ってるグループがいました。空気読めないアホです。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳小屋横にある天水。この時期、他の水場が枯れ始めていたにも関わらず豊富に貯蔵されてました。有難や〜。・・・でも、沸かして飲んでみたらちょっとカビ臭いかな。更に反対側には新設されたトイレもあります。とても良く出来たトイレですがすっごい汚れていました。なので、しばらくトイレ掃除に専念。登山者という人種はよく観光客を非難してますが、案外美的感覚に欠けるというか、大飯食らいのバカというか、次に使う人のことを考えろって言いたいです。誰もが使用後にちょっと掃除すればいつでも誰でも綺麗に使える筈。なのに・・・やっぱりバカです。管理している地元の方々が可哀想。


長野の山 南駒ケ岳さて、トイレ掃除の後は百間ナギ見学。小屋からほんの数十歩という距離。あ〜、せめて今夜だけは崩落しないでね。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳百間ナギは山体の骨格が剥き出しになったような雰囲気。とても人間の力で食い止められるような規模ではありませんね。残念ですが、摺鉢窪の未来が見えてしまったような・・・。花崗岩が風化するとこんなに脆弱なんだと改めて認識しました。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳中央アルプス随一のビューポイント摺鉢窪カール。時間とともに様々な表情を見せてくれます。本日の行程はここまで。但し、明日の悪天候での行動を覚悟。


長野の山 南駒ケ岳歩き続けるだけでは知ることが出来ない風景があります。歩みを止めて静かに自然の声に耳を傾ける時間も大切ですね。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳予報で判っていたのですが本日は天候悪化の兆し。それでも、摺鉢窪から素晴らしい日の出を見ることが出来ました。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳この時期、太陽は北岳と仙丈岳との間から昇ります。先月は甲斐駒あたりからだったんですけどね。


長野の山 南駒ケ岳再び登り返した南駒ヶ岳山頂はガスと雨の中。山頂では北沢尾根を登ってきた男性と会いました。あまりに早い時間なので出発時間を聞くと、なんと午前2時半とのこと。この天候の中、越百山まで日帰りで縦走するという・・・ご苦労様です。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳南駒ヶ岳山頂から再び北沢尾根を下山。今回は摺鉢窪避難小屋で知り合った2名の登山者の方々と一緒に降ります。やはり、天候不良時の北沢尾根下降は一度歩いていないと、短い区間ですが迷いやすいかもしれません。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳それでも樹林帯まで降りて来るとこんなに美しい風景。晴天時とは全く異る北沢尾根のもうひとつの顔。どちらも素晴らしいですね。


長野の山 南駒ケ岳長野の山 南駒ケ岳同行の方々とは2400メートルピークでお別れしました。ここからは長い樹林帯の道ですが、初めての方でも安心して歩けます。


長野の山 南駒ケ岳降り続ける雨の中の下山ですが、心象的な風景が続き思索に耽るには最適。

 


長野の山 南駒ケ岳辿りついた今朝沢の流れ。多少水量が増えています。各所の水場もこの雨で復活したのでしょうか。


長野の山 南駒ケ岳長かった北沢尾根の登山口を振り返ります。



●駐車場
伊奈川ダムの先、林道左側に上下二段構成の駐車場。
●トイレ
駐車場にはなし。摺鉢窪避難小屋にトイレあり。
●登山道
際だって危険な場所はありませんが、岩稜帯では多少のルートファインディングが必要。また、 刈り払いの有無も問題。また、北沢尾根については初心者のみの入山はお勧め出来ません。
●備考
稜線では沢山の登山者と会いました。北沢尾根では11人。避難小屋の宿泊者は22人。晩夏から秋季にかけては稜線での水不足が深刻。摺鉢窪避難小屋の天水は、今回は必要十分な量を確保出来ましたが不確定な要素なので、結果、行動日程分の飲料水はあらかじめ各自で用意する必要があります。また、摺鉢窪避難小屋は営業小屋ではありませんが、近年、協力金として千円を徴収し
ています。
●主観的所要時間
北沢尾根経由で南駒ヶ岳までは7時間程度。各自の体力や荷物量により所要時間は大きく異なります。
日帰りしてしまう方もいます。何れの場合も尾根上部の核心部では岩場のルートを考えたりするので、
想像以上に時間を要すると思ったほうが良いでしょう。尾根上部はテント設営の適地にも乏しいので、タ
イミングを逃すとヘッドランプでなんとか山頂か摺鉢窪まで行動しなければなりません。


この記事に関する内容はあくまで主観的な印象を綴ったものです。
もし、登ってみようかなと思われたら、面倒でも最新の情報を収集されるようにお願いします。
登山道は季節により変化します。年数を経れば様変わりもしてしまいます。
無理をしない山行で楽しい想い出を沢山つくってくださいね。


 

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