長野の山 白馬岳 訪問日2010年08月10日 天候 晴れ後雨


白馬岳アプローチ
国道148号線を大町方面からひたすら北上するか、糸魚川市から南下することとなる。距離的には糸魚川ICを利用して向かうのが早い。幾つかのトンネルやスノーシェードを過ぎて、平岩の信号で右折または左折し平岩駅に向かう。駅手前の郵便局交差点で右折し、あとは蓮華温泉まで長い距離をひたすら走行することとなる。舗装路ではあるが道幅が狭い箇所やブライドカーブ、荒れた路面があるので運転は慎重に。蓮華温泉自体は一般車両進入禁止だが直前に無料の大駐車場がある。
●白馬岳
白馬岳は北アルプス北部の重鎮。小蓮華岳、杓子岳や鑓ヶ岳、旭岳や清水岳を従えて山塊の中心として個性を放っている。この山域の特徴は雪渓とお花畑に尽きる。北アルプスでも有数のお花畑が広がり、夏遅くまで残る多数の雪渓とともに豊かな景観を誇っている。また、北アルプス入門の山として手頃なので、多くの登山者が集う。小屋数も多く、山頂部ではふたつの山小屋が営業している。白馬を起点とした針ノ木岳までの後立山縦走や雪倉・朝日を経て日本海親不知までの縦走など、魅力あるプランがたてられる。


白馬岳 ハイキングルート

長野 白馬岳早朝の蓮華温泉駐車場。この時期は既に早朝で満車状態ですね。お盆休みとその前後の期間は少なくとも前日中に駐車したほうが無難です。さて、山歩きはというと出発直前の激しい降雨で1時間以上待機・・・なんでやねん(泣)。この時点で懐かしい朝日岳周回は早々に諦めて白馬岳のみに変更。


長野 白馬岳駐車場先の道路沿いにある水洗の公衆トイレです。綺麗に使いたいものです。


長野 白馬岳駐車場から1分も歩かずに蓮華温泉到着。登山客や温泉滞在客で賑わっています。


長野 白馬岳付近は蓮華の森と呼ばれる遊歩道が整備されていますが、この地図を見る限り兵馬の平からの苦しい登り返しは解読出来ませんなぁ。かなりハードな遊歩道です。さて、朝日岳方面はこのまま温泉前の未舗装路を直進してキャンプ場へと向かいます。白馬岳へは温泉建屋の裏手から登ります。蓮華温泉の露天風呂への道と一部共有です。


長野 白馬岳蓮華七湯と言うそうな。登山道に近くてもタダで入ってはいけません。面倒でも蓮華温泉の受付で500円払いましょう。露天風呂へは周回コースになっているのでこの看板からは右手へと進みます。


長野 白馬岳長野 白馬岳登山口横には水道設備もあるので水の準備も出来ます。・・・特に硫黄臭い水というわけではないので大丈夫。しばらく平坦な道を進むと再び露天風呂の案内標識。黄金湯は登山道のすぐそばです。


川の丸太橋を渡ると登山道は高度上げていきます。振り返ると露天風呂の源泉一帯からあがる白煙が望めます。


広葉樹の森をひたすら登り続けます。日差しは戻りましたが朝方の降雨の影響でえら〜い湿気です。・・・サウナを背負ってるような感じ。


再びガスがかかり雨の予感。コースタイムよりやや遅れて天狗の庭到着。ここは良い目印になる中間地点ですね。天狗の庭までの所要時間で体調の良し悪しが判ります。付近は露岩と高山植物と天然のカラマツを配した自然庭園。大休止にも良い場所です。


天狗の庭と言ってもそれほど広いわけではありません。尾根上に出来た風衝地帯という雰囲気。花がとても多い場所です。


素晴らしいカラマツの木々。やはり自然の造形には敵わないのです。枯れてしまったカラマツも散見されるので将来がちょっと心配。


天狗の庭からはガスのかかる登山道を黙々と登ります。傾斜はそれほどではないものの、なにしろ滑りやすい岩々の道が厄介です。道は直登せずに乗鞍火山の北西側を延々と巻いて行きます。ちょっと辛抱の区間ですな。


周辺が平坦になり樹木がまばらになってくると白馬大池はすぐそこ。さて、ここから再び激しい降雨となったため本日中の白馬岳は諦めて大池で1泊することに。あぁ〜、それにしても諦めの早いこの性格、なんとかならんかな。


白馬大池の天場に凛々しく佇むボクのテント。しかし、この後荷上げヘリコプターの襲撃で愛しいテント君が危機的状況に・・・。よりによって大型ヘリコプターだったのでした。


朝の大池周辺。昨日の断続的な降雨が嘘のよう。白馬大池のテントサイトは素晴らしいロケーションなのでテント山行派にはおすすめですが、ヘリコプターに油断は禁物。


岸部に降りて覗いてみると結構透明度がありますね。池底の砂利がはっきりと見えます。


これから登る山稜を望みます。


登山道は池に沿って緩やかに登っていきます。朝から空気に湿り気があってなんか嫌な予感・・・。


大池を半周するように登ると少しずつ視界が広がります。雲がどんどん沸き上がってきます。


大池からひと登りで雷鳥坂へと続く稜線に到着。ようやくこれから向かう稜線が目視出来ます。


小蓮華岳から雪倉岳へと続く山並みです


振り返ると先程まで雲ひとつなかったのに、大池はガスの中に隠れてしまいそうです。さて、この後雷鳥坂からはすっかり雲の中。さらに小蓮華岳からは断続的な降雨。頂上山荘に着く頃は激しい雨になりましたとさ。なので、・・・ここから写真無し(泣)。


午後は激しい雷雨模様。すっかり挫けてテント設営あきらめ。頂上山荘の個室に図々しく泊まることとなりました。しかも食事付き。 ・・・う〜ん、いったいなんのためにテントを背負ってきたのやら。しかも食事付きにしてしまったので2食分の食料は開封せずに持ち帰る羽目に。皆さんはこんないい加減な山歩きは真似しないように。


日没前にようやくガスが晴れて周辺の山々が。なので、山頂の展望レストランでコーヒーセットを注文して、剣を見ながらボーッと過ごす。あぁ〜、軟弱路線。結局、視界が良かったのは朝方の8時頃まで、昼前には早々に雨が降り出すという、まるで南アルプスのような天候ですぞ。


夜間は富山の明かりが雲海に映えて幻想的。山小屋での情報から、ようやく妙な天候は台風接近のいたずらと知りました。


翌朝、待ちに待った後立らしい豪快な展望とご対面。おじさんは俄然ヤル気でてきました。


立山と剣岳方面。ちょっと雲がかかってますが・・・。


一瞬、雲が途切れたので記念に剣を一枚。前日、小屋前で槍ヶ岳が見えると騒いでいた団体のおじさんとおばさん達・・・間違いに気づいたでしょうか。気になります。あまりに自信満々に解説していたので、つい気後れしてご指摘出来ませんでした。はい。


白馬鑓の背後には五竜岳や鹿島槍がチラチラと見え隠れしています。
今日は南部ほど天候悪いようです。赤牛以南は雲の中。

 


頂上直下の登山道。信州側は綺麗な雲海です。


頂上山荘に宿泊すると山頂までは散歩気分。村営宿舎でテントを張った時は、この距離感がちょっと羨ましいのです。


早朝にしては威勢が良すぎる雲海・・・もうちょっと大人しくしろや。これも台風の影響か。今日もまた雨に降られそうな予感。


狭い山頂に登山者が溢れています。みんな満面の笑。ボクもです。


山頂から見下ろす信州側の山稜。非対称山稜の典型ですな。


後立山を形成している地質は剣や穂高と較べると随分脆そうです。岩場も砕石や草付きが多いので登山道を外さない方が無難です・・・もっとも、大雪渓コースも近年崩落が激しいですね。3回目の大雪渓では冷蔵庫程の大岩が音もなく落ちてきてそれはそれは怖かったです。


山頂から旭岳と雪倉岳方面の展望。富山湾や能登半島まで望めました。


ちょっと魚眼風コンバーターでいたずら写真。


こちらは信州側。近くの雲が流れると遠く八ヶ岳や富士山まで望めるものの、それでもやっぱりガスに包まれるのは時間の問題という雰囲気。


山頂から三国境へと向かいます。


振り返ると越中側はなだらかな斜面。


旭岳と清水岳。昨日、天候さえ良ければせめて再訪したかった山。今回は天候の影響で白馬岳のみの山旅となってしまいました。


素晴らしい展望。鉢ヶ岳から雪倉、朝日。初日の予定が狂わなければと、ちょっと残念な気持ちで眺めます。


二重山稜の典型。まるで採石場に積まれた砂利山のようです。


前方には日本海が広がります。雲上の稜線から俯瞰する海外線の眺めは格別。


鉢ヶ岳の懐に可愛い池があります。鉢ヶ池という高山湖です。


三国境へは平坦な道と急斜面の道を交互に繰り返しながら降りていきます。すっきりした岩場ではないので、かえって転倒しやすいかもしれません。


岩場を越えると平坦な登山道が続きます。背後の白馬岳は雲に飲み込まれてしまいました。


三国境の様子です。下山する人、これから山頂を目指す人、あるいは雪倉岳から朝日岳へと縦走する人、様々な目的を持った登山者が集う場所ですね。眺めも良いので皆さん笑顔です。


鉢ヶ池のアップ。雪渓抱かれた池はとても神秘的な佇まいです。岸部でのんびり出来たら気持よさそう・・・勿論、立ち入り禁止ですが。


三国境を過ぎると小蓮華岳が正面に聳えます。大池側から眺めるのと異なり、砕石の集合体のような様相です。


小蓮華岳は縦走路に沿って細長い山体なので、意外に越えるのに時間を要します。


窪みにはまだまだ大きな雪田が残っています。


カーテンが風になびくような山容ですね。顕著な非対称地形が続きます。


小蓮華岳の山頂です。厳密には近年山頂部は崩落してしまったので、標高は以前よりも低くなってしまいました。その事実を彷彿とさせる山頂部の姿。


小蓮華岳を越えると緑の絨毯に包まれた白馬大池が見えます。


雷鳥坂付近から見上げた夏空。


歩きやすい登山道なので小蓮華岳から大池までは短時間で到着。


大池小屋ではたくさんの登山者が休憩しています。けれども、ほとんどの方は栂池方面へと下山するようです。


大池でようやく雷鳥とご対面。

 


帰路、蓮華温泉への下りでは再び悪天の兆し。けれども、森は霧のベールを纏い幻想的な雰囲気です。


齢を重ねつつも凛とした風情の巨大なダケカンバ。この方達も白馬を構成する立派な主人公と言えますね。・・・などと、ひとり合点していたら、此の後エライ豪雨に見舞われました。今回は最後まで雨にたたられた山行となりました。うぇ〜ん。


●駐車場
蓮華温泉手前の無料駐車場。駐車場から先は一般車両進入禁止です。温泉目的の観光客も多いので、シーズン中は前日深夜までに到着したほうが安心。
●トイレ
駐車場奥の右手に水洗の公衆トイレがあります。その他は白馬大池や頂上山荘に一般登山者が使用できるトイレが整備されています。
●登山道
危険な場所はありませんが、信州側は概ね急峻です。また、三国境周辺は二重山稜にもなっているので視界が悪い時は注意しましょう。
●備考
全般数えきれない程沢山の登山者と会いました。けれども、蓮華温泉と白馬大池の間は比較的静かです。皆さんほとんど栂池に下山されるようですね。蓮華温泉は日帰り入浴が可能なので時間を合わせて下山されると良いです。オススメは露天風呂。10時から16時まで受付しています。
料金は大人ひとり500円ほど。夏場は大量の羽虫やアブが多いので注意。
●主観的所要時間
急登が少なく、あっても長くは続かないので頑張れば日帰り可能と思えます。
今回は、テント山行に加えて悪天だったので、白馬大池で1泊。
なので、参考タイムですが一般的な荷量で上りは実働7時間下り5時間程度でしょう。


この記事に関する内容はあくまで主観的な印象を綴ったものです。
もし、登ってみようかなと思われたら、面倒でも最新の情報を収集されるようにお願いします。
登山道は季節により変化します。年数を経れば様変わりもしてしまいます。
無理をしない山行で楽しい想い出を沢山つくってくださいね。

 

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