
湯の台口の駐車場です。4〜50台は駐車出来そうですが混雑すると転回に苦労するかもです。駐車場にある公衆トイレと鳥海山を紹介したプレート。綺麗です。

鳥海山周辺の概略図。でも、まぁ、地図は持っていきましょう。
ここが湯の台口の登山コース入り口です。登山届けポストが目印。
登山道は石畳の路で始まります。周囲は背の低い樹林帯です。

登山道から望む日の出。今日も暑くなりそうな予感・・・。
登山口から15分弱で滝の小屋に到着です。

滝の小屋全景。風格のある立派な山小屋です。周囲は台地状になっていて、駐車場までとても15分足らずとは思えない山深い雰囲気が漂います。滝の小屋にはチップ制の公衆トイレがあります。環境に配慮した素晴らしいトイレ。トイレを示すプレートも鏡面仕上げになっていて、なんか自信満々の様子。
ここは果たして道なのか川なのか・・・。
水流を何度か渡り返すと滝の小屋から見えていた斜面の登りになります。残雪と白糸の滝を眺めながら登ります。小屋の名称由来はこの滝なのでしょうか。

斜面には最盛期は過ぎたものの、まだまだニッコウキスゲが頑張って咲いていました。一つ目の斜面を登りきると背後には広々とした風景が広がっていました。滝の小屋や駐車場が小さく見えています。
分岐に到着。でも道標は既にサビのオブジェと化していました。何が言いたかったのかこうなっては判りません。

更に続く大斜面はびっしりと花々に埋め尽くされていました。この周辺は八丁坂と呼ばれているそうです。登山靴にあまり痛めつけられていないお花畑は元気があります。
八丁坂は展望と花々に気をとられている間に登れてしまいます。
八丁坂を登りきった河原宿で待っていたのは、草原の彼方に佇む外輪山の堂々とした姿。
雪渓から流れ出した小川は冷蔵庫に手を入れたような冷たさ。ここは雲上の別天地
心字雪とご対面。八月も半ばになると夏路がすっかり見えています。また、左の雪渓は上下に二分割された状態。
河原宿の小屋。チップ制の公衆トイレは滝の小屋と同様に最先端技術の粋。このような環境でのトイレ整備は最優先課題なので、チップ制トイレ大賛成。
月山森と心字雪方面との分岐。ここから日帰り一周のスタートです。無事に戻ってこれるかな。
河原宿周辺には幾筋もの水流が草原を流れています。

心字雪の末端に辿りつきました。雪渓を登るか夏路を登るか、ちょっと思案。で、花の写真を撮りたくなったので結局夏道。
振り返えれば河原宿の小屋を前景にして雲海の上に月山が望めます。

心字雪周辺はニッコウキスゲやその他の高山植物が豊富です。踏みつけないように歩くのがちょっと大変。右に行けのサイン。夏路をトレースした場合の雪渓トラバース箇所を示しています。

最初の横断箇所。対岸には標柱が建っているので目印になります。また、トラロープが対岸まで張ってあります。雪渓横断中。この時期、アイゼンは必要ないでしょう。傾斜が緩いので滑落の心配もありません。
まさに、スプーンカット。上部は脆い岩壁がかぶっていないので落石の心配も少なくのんびり歩けます。
やれやれ。雪渓に挟まれた小尾根に到着。
次の雪渓への急登です。雪渓の迂回路やトラバース地点は雪渓自体の縮小とともに位置が変化します。なので、踏み跡も結構錯綜しているので視界が悪いときには惑わされないように注意。初心者は歩き易い場所を選びます。山のベテランは多少歩きにくくても遠回りになっても草花を踏まないようにルートを選びます。あなたはどっち。
見上げれば真っ青な空、真っ白な雲。
二つ目のトラバース。こちらにもトラロープが張られています。視界不良時には良い目安になるでしょう。
外輪山の稜線はまだまだ遠いですね。
心字雪上部の雪渓横断中。
やれやれ。目指す稜線が見えなくなってしまう程の急坂が待っていました。ここからが薊坂。雪渓周辺から様々な踏み跡が稜線に向かっていますが、植物を無闇に踏みつけないためにもメインルートを慌てずしっかり確認しましょ。
鳥の海方面が見えてきました。ポコンと突き出しているのが鍋森。
眼下には河原宿と心字雪が箱庭のように望めます。ここまで頑張った自分を褒めてやりたい気分。
稜線に着くと新山とご対面。まだまだ遠いやないか〜い。
秋田側の鉾立方面は雲海に覆われています。
伏拝岳ってここなんでしょうか。交差点になっています。右手の小さなピークが伏拝岳かな。
伏拝岳・・・たぶん。
千蛇谷を覗き込みます。4月にあそこを登った時は辛かったなぁ〜、などと思い出に浸ります。
どなたか、行者岳って知ってますか。
これかな、行者岳。
新山を望みます。山頂のごつごつに登山者が見えてます。お疲れ様です。
登ってきた外輪山を俯瞰。行者岳と伏拝岳と文殊岳が見えてます。どのピークなのかは聞かないでください。
七高山に到着。周囲はすっかり雲海となってなんだか船の舳先にいる気分です。
外輪山から新山へ登るための分岐です。う〜ん、今回は行き先の都合で割愛。
千蛇谷側の荒々しい雰囲気と異なり外輪山の外側は緑の衣を纏っています。
ちょっとした冒険。七五三掛までの間、外輪山を歩くとこのようなハシゴが幾つかあります。
新山と七高山との背較べ。
千蛇谷コースを歩く登山者が豆粒のように見えます。雪渓でダウンしている人もいたりして・・・。
ん、唐突に河原宿への道標。地図に載っていないんですけど・・・。ルートは月山森方面へ下っている様子。あまり利用されていないのか踏み跡はか細いですが、雰囲気はとても良さそうです。
たぶん、文殊岳。ここからの展望は火山のお勉強に適した眺めです。
鳥の海と鍋森。背後の立派な山は笙ヶ岳。
本日の目的地、千畳ヶ原と月山森方面。・・・千畳ヶ原からの登り返しきつそうなんですけど、とっても。
すっかり見上げる高さとなった新山と外輪山。

ここで千蛇谷コースと外輪山コースが合流します。以前と場所が変わりましたね。さらに下ってみると・・・なるほど、崩れちゃったんだ。
七五三掛到着。どなたか地名の意味を教えてください。
御苗代は花々の独壇場。この辺りは行き交う登山者がとても多い。
八丁坂分岐。御浜と万助コースとの分岐となります。で、万助コースに向かったのは自分達だけ。全般、月山森とか千畳ヶ原などの表示は記されていないので注意。この地点では万助コースを選択すれば千畳ヶ原へと向かえます。
鳥海山が新鮮な角度で望めます。万助コースに入った途端、あれほど沢山居た登山者が何処にもおりませんです。周遊コースと万助コースとの分岐。千畳ヶ原へは万助コースを選び階段状の路を急降下していきます。
せっかくなので寄り道して鳥の海見学。こんなに綺麗なのに誰もいないですぅ。

鳥海山を望む角度が変化しているので新山とはそろそろお別れの時間です。東北第二の高峰という呼称が残念。まさに超第一級の名山です。燧ヶ岳さん、関東の山に編入してくれませんか。
万助コースは整備された木製の階段と石積みの階段が続きます。現在は比較的整備された状況ですが、豪雪地帯なので歩き易い状況が何年維持できるのかは不明です。
谷に下りると万助ルートとはお別れ。Y字路を左に進み、今度は二ノ滝口ルートに入ります。雪で道標の痛みも激しいようです。道迷い要注意地点です。
降りてきた稜線を見上げます。鍋森の東側を下降したことになります。

木道も現れて次第に核心部に近づいてきたかな的期待感。そして、千畳ヶ原に到着。誰もいませんねぇ〜、独占です。
鍋森がちょこんと突き出しています。あの右肩から降りて延々と歩いてきました。ここから望むと火口湖があるようにはとても見えません。
何処までも続く緑の絨毯。・・・水田と麦畑が一緒になったような景観。あまりの広さにただ口を開けて見とれるだけ。しかも、誰も居ないよ。
木道が整備されていない場所はちょっと荒れていて心配です。湿地の多い草原なので、土砂が露出すると排水が過剰に進み周辺の水が抜けてしまいます。鳥海山からの尾根と月山森。一番低い鞍部を越えるのですが・・・遠いぞ。
千畳ヶ原は二ノ滝口と月山森方面との分岐になっており、二ノ滝方面は立派な木道が整備されています。二ノ滝への路のほうがなんとなく立派に見えてしまうので視界不良時は注意。月山森へはそのまま木道の整っていないしょぼい踏み跡を直進です。ここも道迷い要注意地点。

千畳ヶ原は歩いてみると意外に起伏の多い地形です。付近一帯は写真に収めきれない広大な景観が続きます。誰もいない草原は風のさわさわとした音だけが駆け抜けます。
月山森が近づいてきました。ルートは正面の沢を詰めて最低鞍部を乗っ越すようです。
・・・やはり辛そう。登山道と言うには程遠いルート。岩のペンキ印や枝につけられた赤テープを目印に自分自身で判断して岩を乗り越えていきます。最初、右側の崩落箇所は落石があるかもしれないので注意。また、沢の上部は傾斜もきついので下降ルートで使う場合は転落や転倒に注意です。でも、まぁ、延々と石段や木製階段が整備されてしまうよりは、このままの状態がずぅっとマシ。

登り切ると真新しい一本の道標が迎えてくれます。出来れば沢の取り付き点にも建ててあれば悪天候時の不安は解消されますね。一応取り付き付近はトラロープが張られており、それ以上間違って下降しないようにはなっています。・・・一応ですけど。さらに緩斜面をしばらく進むと月山森の鞍部に到着です。

小さな池がありました。周囲は草原が広がるたおやかな緩斜面。月山森のピークを振り返ります。

茫漠として目標物に乏しい地形ではポツンと建てられた道標がとっても有難いです。道迷いなどで高山植物を意味無く踏みつけることのないようにしたいものです。月山森から河原宿に向かう途中にある大きな雪渓。河原宿に一泊してのんびり過ごすには最高の場所ですね。
名残惜しい夕暮れの鳥海外輪山。八丁坂から振り返ります。
夕暮れ時の誰も居ない大草原。河原宿の管理人さんと話しこんでしまい下山がちょっと遅れました。
透きとおる花びらの向こう側に過ぎ行く夏が見え隠れします。お疲れ様でした。
●駐車場
湯ノ台口終点がそのまま駐車場になっている。早朝でないと混雑するかも。
●トイレ
駐車場、滝の小屋、河原宿などのトイレ。
何れも素晴らしいトイレなので汚さず綺麗に使いたい。
登山者の美意識が問われます。
●登山道
好天時は問題ありませんが荒天時には全般道迷いに注意。
心字雪周辺のルート選択、千畳ヶ原での分岐、月山森へのルート周辺など。
また、稜線では千蛇谷に転落しないように。
●備考
沢山の登山者に出会いました。が、千畳ヶ原方面は誰も居ませんでした。
●主観的所要時間
このコース日帰りはちょっときついし勿体ない。8時間程度もあれば(休憩含まず)。
この記事に関する内容はあくまで主観的な印象を綴ったものです。
もし、登ってみようかなと思われたら、面倒でも最新の情報を収集されるようにお願いします。
登山道は季節により変化します。年数を経れば様変わりもしてしまいます。
無理をしない山行で楽しい想い出を沢山つくってくださいね。