●大石林山アプローチ
まずは沖縄に向かいます。那覇からはレンタカーで高速道路を使って名護あたりまで稼ぐのが良いです。名護からは国道58号線を使って辺戸岬を目標に走れば大丈夫。島の南側ルートはカーブやアップダウンが多いので時間がかかります。辺戸岬が近くなると大石林山を示す私設標識がたくさん出てくるので迷うことはないと思います。駐車場に到着すると親切なおじさんたちが駆け寄ってきてマイクロバスに誘導してくれます。マイクロバスに揺られてすっげぇ〜悪路を起点となる精気小屋へと向かいます。。
●大石林山
大石林山は沖縄本島の北端に位置するカルスト地形の山塊です。2億年前の石灰岩層が隆起して出来たもので特異な山容を誇ります。標高は最も高いシノクセで250m程度ですが、海岸線の断崖から直接そびえる様は圧巻。また、沖縄の聖地としても最大級のもので、島建の神が降り立ち琉球最初の聖地を作ったのがこの地であるということです。山体は大きく4つの岩峰に分かれており、シノクセ、アフリ、シジャラ、イヘヤと続いています。今回、訪問した大石林山は、観光客向けに整備されたカルスト地形一帯の呼称であり、単一の山名を指すものではありません。
那覇空港に到着するとそこにはもぉ夏空が広がっていましたよ。
那覇の市街地を走行。下手な地方都市よりも俄然活気に溢れているのでした。街並みは雑然とした勢いがあって宜しい感じてすが、一旦、裏道に入ると複雑怪奇。
沖縄自動車道路で名護市まで向かいます。沖縄本島はかな〜りおっきい島なので、高速道路は移動に有難いのです。
途中で寄り道。沖縄の海は美しい〜。絵の具を溶かしたような色なんであります。砂浜は珊瑚で形成されてます。
まだ遊泳禁止になってた海水浴場。海も空も広いのです。
名護から更に北へと走ります。沖縄は北部と南部では全く雰囲気が異なりますね。

道路端にかかる滝。沖縄本島の山岳は丘陵のように小さな山々なので保水力とかどぉなんでしょうね。鬱蒼とした森林がなかったら深刻な水不足ってことかも知れません。
大石林山の標識を辿って行くと麓の駐車場に到着。そこで入山料を払ってマイクロバスに乗り換えます。ベースとなる精気小屋までは未舗装のダート。この悪路をマイクロバスに乗って走るだけでも異次元トリップなんであります。
マイクロバスに乗って到着した大石林山の入り口。おぉ〜、なんだかジュラシックパークしてます。2億年前に形成された園地です。
全く知らない木々ばかりなのでテンションあがります。ジャングルへの入り口といった雰囲気。
石灰岩の岩塔が無数に突き出しています。亜熱帯の庭園風でもあります。
大石林山は幾つかの散策ルートにわかれています。一番簡単なのはバリアフリーコースで整備された道を周回します。今回は、沖縄の海を山の上から眺めたかったので美ら海展望台コースを選びました。
ガジュマルの木。こぉいう精霊が宿っていそぉな樹木に出会うと俄然心躍るのです。街路樹やマンションの植木ではこぉはなりませんな。
木道がなかったら結構歩くのも難儀しそぉですよ。石灰岩が露出した地表は複雑怪奇。
大石林山周辺に多いソテツ。土地の痩せた地域に植林したソテツが野生化して、いまでは自生地を形成しているんだそぅな。
バリアフリーコースはこんな立派な木道が続きます。
石灰岩を覆うように南国の木々が繁茂していますよ。で、おそらくアルカリ性に強い植物が主体なのかな。
木陰は海からの風を受けて意外に涼しいのでした。
石灰岩のピークが迫ってきました。隙間にはソテツなどが育っており、某遊園地のアトラクションのようでもあります。
対比するものがないのでイメージしにくいのですが、結構大きな岩塔がゴロゴロしています。
歩道は快適。でも、日陰がないとちょっと辛い。
この石灰岩のピークは悟空岩と呼ばれています。
山の対面から悟空岩を眺めます。確かに動物園のサル山のよぉでもあります。ボルダリングに丁度良いかも。
悟空岩の下部をトラバースしていきます。振り返ると安須杜(森)のピークのひとつが望めます。
悟空岩の山頂部。タワーカルストと言うんだそぉです。
悟空岩から一旦森林の中の休憩所へ。近くには沖縄最大級のパワースポットと言われる石林の壁。一言で言うと神様の集会所みたいなところ。
ここからは展望台を目指して山道を登っていきます。普段見慣れた植生とは全く異なるので見飽きることがありません。
「骨盤岩」と呼ばれる石灰岩の巨岩。触ると専ら女性向けのご利益が得られます。女性特有の病気に効果ありなので、男性が触れても意味ねぇかも。
「生まれ変わりの石」と呼ばれる石灰岩の巨岩。3回くぐると良いらしいです。1回目で悪い過去を捨てて、2回目でリセット、3回目で生まれ変わるというもの。ボクは今の人生で別段不服はないのでパス。悪い過去というものも長い人生では味わい深い香辛料なんであります。
前方が明るく開けてきましたよ。
すっごい眺めに呆然。間近に望めるのがイヘヤとシジャラの岩峰と思われますです。
美ら海展望台からの眺め。眼下に望めるのが出発地点の駐車場。
断崖の先っぽが辺戸岬。沖縄本島の最北端です。
辺戸岬の海の向こうには遠く与論島が望めます。
絶景を眺めたあとはコースの出発地点へと下ります。
相変わらず石灰岩の回廊が続きますよ。
面白い形をした岩にはいろんな名前がつけられていますが、多少無理矢理な感じがしますなぁ。
石灰カルスト地形特有のドリーネには池があったりしてユカタン半島的でもあります。
亜熱帯の樹木の上にそそり立つ石灰岩の岩塔群。途中から再びバリアフリーコースに戻ります。
「烏帽子岩」と呼ばれるピナクル。
大石林山を含めた安須杜(森)は、世界最北端の熱帯カルスト地形と言われています。
起点となった精気小屋を見下ろします。背後はシノクセ、アフリ、シジャラあたりなんでしょうか。
ソテツの群生。どこを見ても珍しい眺めばかりです。
いつも歩いている里山とはずいぶん勝手が違います。
沖縄南部とは異なり木々の勢いが半端ない感じ。これでもやはり二次林なんでしょうかね。
安須杜(森)の峰々は200mから250m程度の標高です。海岸側からの姿と異なり穏やかな山並み。
名残惜しいのですが沖縄の聖地とお別れです。
駐車場から眺めるイヘヤ。聖地だからロッククライミングはお断りなのかな。
この位置からはイヘヤが正面に望めます。
せっかくなので辺戸岬へと向かいました。振り返ると安須杜(森)が堂々とした山容を誇っています。ちょっと感動。
辺戸岬周辺も石灰岩で形成されています。
海がメチャ綺麗で凄いのです。でも、ちょっとした断崖絶壁。
美ら海を前景にした安須杜(森)の全容。島建ての神が最初に作った聖地でありますです。
左からシノクセ、アフリ、シジャラ、イヘヤの岩峰。
ということで沖縄最北端。
帰路に飛行機から見下ろした美ら海。山もいいけど海もいいかなぁ〜などと思った中年おっさんでありました。
●駐車場
大石林山の麓にある未舗装駐車場。但し、なんだかデカくて立派な駐車場を現在建設中。
●トイレ
精気小屋にあります。
●登山道
入山料を払うと「巨岩・石林感動コース」、「美ら海展望台コース」、「バリアフリーコース」、「亜熱帯自然林コース」などが選べます。時間があまり無い方は「美ら海展望台コース」がオススメ。
●備考
入山料して820円。9時から17時までが受付時間です。精気小屋では食事やおみやげ品の購入も出来ます。
●主観的所要時間
全部を制覇するのなら2時間くらい歩く覚悟があれば大丈夫。但し、熱中症にはご注意。
●大石林山周辺の地図

この記事に関する内容はあくまで主観的な印象を綴ったものです。
もし、登ってみようかなと思われたら、面倒でも最新の情報を収集されるようにお願いします。
登山道は季節により変化します。年数を経れば様変わりもしてしまいます。
無理をしない山行で楽しい想い出を沢山つくってくださいね。