●高ボッチアプローチ
高ボッチへのアプローチは国道20号線を利用するのが一般的です。塩尻峠を越えて下り坂になってしばらく進むと、右方向に高ボッチ高原を示す標識があります。信号もない地味な入口なので、スピードを出し過ぎていると通り過ぎてしまいます。最初は人家の間を通り抜ける曲りくねった道路ですが、次第に山の中に入っていきます。但し、幅員が狭く側溝もあるので、対向車などに十分注意しながら走行しましょう。森を抜けると、最初に草競馬場隣の駐車場に到着します。高ボッチ高原自然保護センター脇の駐車場まではもう少し先まで草原の中を走ります。
●高ボッチ
高ボッチは鉢伏山の前衛峰のような位置関係です。なので、鉢伏山と併せて立ち寄るケースが多いかも知れませんが、ちょっと勿体ないですよ。山頂からの360度の大展望では、北、中央、南アルプス、富士山、八ヶ岳、乗鞍岳、御岳山と揃い踏みです。また、放牧地として長年活用されてきた経緯から、山頂一帯は美しい草原と牧場が広がっており、夏季ならば、様々な野の花々を愛でることが出来ます。年一回、8月の第一日曜日には山上の競馬場で、草競馬大会が開催されるというとても個性豊かな高原でもあります。
高ボッチの駐車場は山頂脇にあります。高ボッチ自然保護センターと公衆トイレが併設された駐車場で、未舗装ですがとても綺麗に整地されています。あまりに綺麗なので無料のキャンプ場と勘違いされる方もいるようです。高ボッチ山荘が無くなってしまった現在、高ボッチにはキャンプ施設はありません。
自然保護センターと公衆トイレ。付近はミニ植物園となっており、高ボッチに生育する数々の植物が植栽されています。
駐車場にはこのような前衛芸術作品が鎮座しております。なんつーか、かな〜り大袈裟なのであります。高ボッチは原っぱと木柵だけで十分なのです。
駐車場の対面、車道を渡った位置が高ボッチの山頂へと向かう散策路です。山頂まで400mという急坂もない至近距離です。これを面倒くさいというのならば、家から一歩も出ないほうが宜しいかと。
高ボッチの山頂一帯は茫漠とした高原状。
どこまでも続く草原の中を木柵で囲まれた道が続きます。舗装されていない道は哲学的な風情が溢れておりますです。
周囲は様々な山野草を見ることができます。この時期、マルバダケブキがかなりデカイ顔をしておりますな。
あかん・・・朝から泣きたくなる風景です。心のなかに残る「いつか来た道」ですなぁ〜。
と、浪漫ちっくに歩いていると山頂に到着してしまいました。
八ヶ岳と霧ヶ峰方面。
眼下には朝の諏訪湖と南アルプス。その左手には富士山が望めます。
西側は松本盆地を隔てて、槍、穂高連峰、常念山脈、更に後立山の山並み。
奥穂と前穂が重なっています。んで、結構スリムな涸沢岳と北穂高岳。
南岳と大喰岳、槍ヶ岳。中岳は雲がかかっちゃってますな。手前は蝶ヶ岳ですぞ。
極上の展望と秋の前ぶれのような高い空。
昨日の凄まじい雷雨が嘘のような至って穏やかな朝です。
高ボッチから望む鉢伏山。互いに補完しあっているような関係ですね。
さて、自然保護センターで「ひょうたん池」についての活動が紹介されていたので行って見ることにしましたよ。駐車場から10分程度でしょうか。
植林されたカラマツ林の中を暫く下って行くと、前方に小さな凹地が見えてきました。
・・・う〜む。
・・・原っぱですな。

東屋側から見ると多少、絵になります。帰化植物が繁茂し裸地化現象も甚だしかった当時のひょうたん池を整備したのだそうです。観光資源としては今ひとつの感が拭えませんが、周辺のぬかるみには動物の足跡が多数あったので、貴重な水場なのかも知れませんね。
こ〜いう看板はお金つぎ込んで設置しても、結局古びてボケボケになってしまいます。しかも紹介されている遊歩道の幾つかは笹がかぶって観光客向けとは言い難い雰囲気。ドライブ目的の観光客はあんまり車から離れたがらないという習性があります。
気をとり直して今度は草競馬場を見学に行きます。う〜む、この看板は素晴らしいですぞ。牛のデザインがなかなか手作りアートしております。草競馬なのに馬ではなく牛を使っているところなど・・・奥が深いですなぁ〜。
牛に較べてこ〜いうモニュメントってくそ面白く無いですなぁ〜。
草競馬場の外周を一周してみることにします。周辺は山野草の花々が咲き乱れており、なかなか素敵なところですよ。
空も広いし。
あぁ〜、心が洗濯物になって乾いてしまいそうな空ですがな。・・・う〜ん、相変わらず致命的な表現力不足ですみません。
ついでに寄り道して牧場の方へも遠征しましたよ。
夏雲湧き上がる高原のひとときであります。
人と自然の共生って、うまくいけばこんな気持の良い空間を創造出来るのですね。
相変わらずマルバダケブキがドヤ顔で咲いております。
本日の夏空、ベストショットでございますよ。
さて、午後は霧ヶ峰で植物観察。
ころぼっくるひゅっての真ん前に出現したトイレ群。もう少し設置場所考えろや〜。ひゅっての常連さんではないけれど、これはちとあんまりではないかと。
んで、本日も植物鑑賞していたら真上で凄まじい雷鳴がぁ〜。猛ダッシュで車まで敗走しましたとさ。
高ボッチに咲いてた花など
ウツボグサ
イブキボウフウ
ハクサンフウロ
オトギリソウ・・・かな
ツリガネニンジン
マルバダケブキ
これもマルバダケブキ
うむむむ・・・
ワレモコウ
コオニユリ
イブキトラノオ
ノアザミ
シシウド
オトギリソウ・・・だよね
アキノキリンソウ
トリカブト
●駐車場
草競馬場脇、自然保護センター脇、高ボッチ山荘跡、その他複数あります。
●トイレ
草競馬場の駐車場にある公衆トイレ、自然保護センター脇の公衆トイレ。
●登山道
全般、登山道ではなく遊歩道です。駐車場と高ボッチ山頂間は全く問題ありません。反面、案内板などに記載されているものの、人気のない遊歩道はヤブっぽくなったりしてるので要注意。
●備考
高ボッチでは・・・ほとんど観光客かも。車から降りて「すげぇ〜」と言って、写真撮って、トイレに行って、また何処かに走り去る感じ。
●主観的所要時間
駐車場から高ボッチ往復は20分程度(休憩含まず)。
但し、案内板にある遊歩道を全部歩くとそれなりに疲れます。
この記事に関する内容はあくまで主観的な印象を綴ったものです。
もし、登ってみようかなと思われたら、面倒でも最新の情報を収集されるようにお願いします。
登山道は季節により変化します。年数を経れば様変わりもしてしまいます。
無理をしない山行で楽しい想い出を沢山つくってくださいね。