●三床山アプローチ
三床山へのアプローチは国道293号線を使います。田沼の市街地から飛駒方面と向かう66号線に入ります。目安はゴールド佐野カントリークラブ。但し、登山口となる鹿嶋神社への道が少々判りにくいです。66号線から右折するタイミングは、市立戸奈良小学校を過ぎて左手に蕎麦屋が見えたらすぐ。小さな橋を渡ると右手に大きな石灯籠があるので、脇の狭い道に躊躇わずに突っ込みます。左手に鹿嶋神社の逢拝殿があれば正解。その先、一箇所二又なっていますが、左に進めば鹿嶋神社駐車場に着きます。
●三床山
田沼から飛駒へと向かう玄関口に座る山です。山麓の何処からでもその可愛い連峰が望めます。近年の松の枯死現象の影響かもしれませんが、全域にわたって展望良好。特に一床山山頂は低山とは思えない360度の大展望が得られます。駐車場を起点に手軽に周回出来るので、冬枯れの時期、半日ハイキングには最適の山ですよ。また、自然林が多く好ましい雰囲気ですが、野生動物の気配も濃いので、熊避け鈴やラジオなどは必ず携帯した方が良いです。
鹿嶋神社の入り口です。左側の未舗装の道が登山道へと続く道路です。
鹿嶋神社の右手には広い駐車場があります。本日はまだ誰も訪れていないようです。
立派な鳥居です。
小さいながら朱塗りのとても美しい社です。
横から眺めてみました。う〜ん、なかなか凝った造りをしてますよ。
彩色されており、とても綺麗です。
ちょっと不思議な様式ですね。
さて、ハイキングに戻ります。神社横の林道を歩いて行くとすぐに標識があります。最初の標識は沢コースと出尾根コースとの分岐。
こんな雰囲気の分岐です。今回は出尾根コースを歩いてみたいのでこのまま林道を進みます。
標識ありました。先程の分岐から1〜2分程度の至近距離です。
林道はこのまま続いていますが、この場所から左手の尾根に登っていきます。

榊の森です。道はとてもしっかりしています。松などの倒木もきちんと整理されています。
榊のトンネルを過ぎるとちょっとした植林帯を抜けます。植林と言ってもかなり手が入っており、明るい林間からは展望も利きます。
正面に三床山を望みながら一旦、尾根上の最低コルまで下ります。

さて、ここからが本日最大の急登です。写真で見ると穏やかですが、普通に立つことが出来ないほどの傾斜。更に、落ち葉が厚く堆積しており・・・ふんばりが全然効きませんぞ。
一度、緩傾斜になった後は左方向に廻りこみながらの急登。今度は落ち葉は少ないものの、細かな岩屑の多い道となります。
頂上直下の岩棚です。ここは山頂よりも眺めが良いので休憩適地と言えますね。これから向かう二床山方面が望めます。
関東平野と山地の境界線が眼下に望めます。遠景は大小山。
岩の展望地のすぐ上が縦走路の分岐になっています。ここから右手の三床山を往復します。
三床山山頂に到着。三つの祠が建っています。
標高は334.9メートル。
南側が開けておりゴルフ場方面の展望が得られます。

三床山の山頂は細長い形状をしています。疎林に囲まれた山頂は、日本的な情緒に溢れたとても素敵な空間です。
さて、今度は二床山を目指します。
三床山から急降下。ロープが張られた岩の多い急斜面を下ります。
到着した場所が三床のコル。沢コースとの合流地点でもあります。
落ち葉を敷き詰めた明るい場所です。
ここからは幾つもの小さな起伏を踏みながら、二床山に向かいます。
北側は植林が多いものの南面は自然林なので明るい稜線が続きます。
登山道は稜線上の大岩を越えていきます。
低山にしては変化があってちっょと楽しい道ですね。
岩と松でなかなか絵になる風景が続きます。
さて、次の小さなコルに降りる際に北側の斜面から重々しい音が・・・。直感的に岩場のピークまで引き返して観察。暫く待機している間に稜線を越えて南側の斜面に移動し遠ざかっていきました。蔵王の雁戸山以来の接近遭遇。こんな時、動・植物や生態系調査の仕事をしていた経験がちょっとは生かされるのでした。それにしても、こんな時期に、こんな場所で出会うなんて、食料不足で冬ごもりに失敗したのでしょうか。
一息ついたピークからは二床山が目の前です。
振り返ると駆け抜けた稜線が一目瞭然。いやいや、急峻な岩で助かりましたぞ。
気をとりなおして二床山に向かいます。
二床山の登りは落ち葉で道が判然としない部分もありますが、山頂が見えているので適当に登れてしまいます。
二床山の山頂直下に高松を経て鹿嶋神社へと向かうルートの分岐があります。
二床山の山頂到着。雑木が多いので展望はいまひとつ。
ここから一床山へと向かいます。
一床山への稜線も岩の多い道です。
一床山を望みます。二床山から大体15分くらいです。最後は岩の塊を登っていくような感じです。
大きな岩の塊の上は一床山の山頂でした。なにしろ樹木が全くありません。なので、当然、当たり前の話ですが、360度遮るもののない天然の展望台なのです。
南の佐野方面の眺め。
北の袈裟丸から日光方面の眺め。
日光方面。
葛生の山々と三床山。
日光の山々。ズームいっぱいで撮影したので画像が汚い。
三峰山の可哀想な姿。消えていく山が憐れ。
諏訪岳と太平山、晃石山、馬不入山。諏訪岳の左手には絹ヶ岳という素敵な山がありましたが、長年の採石で消えてしまいました。
大小山。
白根山をズームいっぱいで撮影。やっぱり画像が汚い。
遠く赤城山を望みます。
一床山から南の眺め。一床山から周囲を見渡すと8箇所くらいの場所で山が削り取られている姿も目に入ります。採石と植林とゴルフ場と・・・。
一床山から東の眺め。
一床山から西の眺め。なお、北方向は自分の影がまともに写ってしまって格好悪いので割愛。
素敵な一床山にさようなら。
一床山の可愛い岩峰をひとくだり。その先、しばらくは緩やかにアップダウンを繰り返しながらの尾根道が続きます。

なかなか素敵な冬枯れの小道ですよ。
途中まで沢入の滝方面への道と一緒です。
振り返って一床山を望みます。露岩の山である様子が良く判ります。松枯れ現象の結果なんでしょうか。360度の展望は大変有難いものの、それに至る現象面も気にかかります。
高松から二床山、一床山と続く稜線。小さいながら、よくまとまった景観です。
高松を望みます。こちらのピークを歩いて鹿嶋神社に下るのも楽しそうです。

西入の頭がどの辺りなのか良くわかりませんでした。この辺りかな。全般、岩混じりの展望の良い箇所が連続しているので、関東平野に向かって空中散歩しているようです。明るくてとても気分が良い道です。もっとも、沢山の松の木が枯死してしまった結果のようです。
沢入の滝との分岐を過ぎます。滝見学は次回にゆずります。
滝との分岐を過ぎると、しばらく急坂を転げ落ちるように下ります。堆積した落ち葉は中高年の敵ですな。あぶねぇ〜・・・。
急坂が終わると後は穏やかな道が続きます。鹿嶋神社を示す案内が随所にあるので大丈夫です。
山麓の様子。ここから山裾に沿って神社に向かいます。
ここは大きく右折します。立木の赤丸ペンキが目印ですよ。
藪の中に道は続いていますが、道形ははっきりしています。
古い作業道との分岐です。
逆コースの場合、左が一床山への登山道で右が作業道です。下山の場合は迷う場所ではありません。
環境調査の視点から見ると様々動物が暮らせる環境。登山者の視点からすると・・・ちょっとこわい。
小さな山ですが水が豊富で湿地帯も随所に見られます。神社へは木の橋を渡って左折です。
大きく右左折するような場所や迷いやすい分岐には、必ずこのような道標が待っていてくれるので有難いです。
山裾に沿って林道を進みます。
竹の藪が続きます。右手は湿地帯。・・・ここもこわい。
作業道と作業道がこんにちはしている場所。
こんな感じです。逆コースの場合、狭い左の道を進むのが正解。右手の太い作業道に引き込まれないように。人間以外の足跡も見られます。
高松との分岐です。
高松ルートもしっかりした道が続いています。
一帯は集水効果の高い典型的な谷地地形ですね。耕作放棄した土地に二次林が発達したという雰囲気ですが、きちんとした森林形態にはなっていません。
どうも建設会社の仮残土置き場となっているようです。土地が攪拌されているんですね。植生がごちゃついている理由が判りました。このような区域の拡大が民家の近くまで野生動物が近づくという理由のひとつかも知れません。勿論、断定は致しません。
気付かなかった起点にある道標。道路際にあるのですが、なにしろ背丈が低い。やはり道標は目線の高さにないと見落としやすいです。
右が出発点の道。左が帰ってきた道。綺麗に一周したことになります。しかも、傍らが駐車場。便利すぎますなぁ。
帰路に眺めた三床山と高松。寄り添うように佇む姿はなかなか可愛いです。
●駐車場
鹿嶋神社の傍らに広くて立派な駐車場。
●トイレ
ありません。
●登山道
危険な場所はありません。狩猟のワナなども設置されているようなので登山道を外れないように。
●備考
登山者とは出会いませんでした。また、熊避けの鈴、ラジオなどは必携です。
出来れば単独ではなく複数で訪問したほうが良いでしょう。
●主観的所要時間
通常、三床山、二床山、一床山の周回コースは2時間30分くらいではないかと(休憩含まず)。
●三床山の周辺地図

この記事に関する内容はあくまで主観的な印象を綴ったものです。
もし、登ってみようかなと思われたら、面倒でも最新の情報を収集されるようにお願いします。
登山道は季節により変化します。年数を経れば様変わりもしてしまいます。
無理をしない山行で楽しい想い出を沢山つくってくださいね。